WALEモデル
説明
WALEモデルは、LESにおけるサブグリッド粘性モデルの一種で、Wall-Adapting Local Eddy-viscosity model の略称である。Smagorinskyモデルの改良型であり、近壁面の渦粘性を適切に減少させる特徴を持つ。SGS粘性を決定する式に歪みだけでなく回転の情報も組み込むことで、回転の弱い領域(壁近傍の層流的な領域)では粘性がゼロに近づくよう設計されている。具体的には、局所の歪みテンソルの二乗と三乗の不変量を用いて ν_t を計算する。これにより、Smagorinskyモデルでは対応できなかった壁面近傍の減衰を表現し、格子を極端に細かくしなくても壁近傍での LES 精度を向上させることができる。