円筒タンクのスロッシング解析

#混相流  #自由表面  #建築土木 

概要

流体解析ソフト Advance/FrontFlow/red の混相流解析オプションAdvance/FrontFlow/MPを用いた、地震波による円筒タンクのスロッシング解析の例をご紹介します。1968年十勝沖地震の八戸港湾での強震記録[1]を2倍にした地震波をX,Y,Z方向に同時入力し、内径4m×高さ4mの円筒タンク内の液体挙動、波高分布、最大波高と最小波高の時間変化、天板における最大圧力の時間変化を解析しました。 

参考文献

[1] 翠川三郎,三浦弘之:1968年十勝沖地震の八戸港湾での強震記録の再数値化,日本地震工学会論文集, 第10巻, 第2号, pp.12-21, 2010.

解析条件およびモデル構造

内径 4.0m × 高さ 4.0m の円筒タンク(図1~3参照)内に、初期高さ 3.0m まで軽油(液体)を満たし、その上部 1.0m 空間を空気(気体)としてモデル化します。気体の動的連行や壁面空気抜き挙動を正しく捉えるため、空気相の流速場も一体で解法します。

図1 計算格子図(鳥瞰図)
図2 計算格子図(平面図)
図3 計算格子図(正面図)

解析条件を表1にまとめています。

表1 解析条件

解析条件設定値
タンク形状内径4m×高さ4mの円筒
初期液面高さ3m
液体軽油
気体空気(空気の速度も計算しています)
入力波1968年十勝沖地震の八戸港湾での強震記録を2倍にした波
計算格子の節点数588,729
周方向のメッシュ分割数96
高さ方向のメッシュ分割数200
時間刻み0.002s
現象時間30s

入力波を、図4に示します。

図4 入力波

解析結果

解析結果より、タンク内の液体挙動の動画ファイルを弊社Youtubeのサイトよりご覧いただけます。

図5 タンク内の液体挙動

同様に、タンク内の波高分布も動画ファイルでご確認いただけます。

図6 波高分布

次に、最大波高と最小波高の時間変化を図7にグラフでまとめています。

図7 最大波高と最小波高の時間変化

続いて、天板における最大圧力の時間変化を図8にまとめています。

図8 天板における最大圧力の時間変化

本解析でわかったこと

実測値はありませんが、地震波による円筒タンク内の液体挙動、波高分布、最大波高と最小波高の時間変化、天板における最大圧力の時間変化は定性的に妥当に解析できているものと考えられます。