スロットダイ塗布解析

#自由表面  #材料・化学  #混相流 

概要

リチウムイオン二次電池(LIB)極板、液晶・有機ELディスプレイ用光学フィルム、半導体フォトレジスト塗布などで広く採用されている「スロットダイ塗布(Slot Die Coating)」を対象に、流体解析ソフト Advance/FrontFlow/red の混相流解析オプションAdvance/FrontFlow/MPを用いて、2次元スロットダイ塗布解析を行った例をご紹介します。

塗液の形状や挙動は、装置形状・基材速度・塗液流入速度・吸引減圧度・粘度・表面張力係数・密度・壁面の濡れ性によって、①濡れ上がり、②空気同伴、③正常塗布のいずれかの状態になりますが、今回は正常塗布の状態として解析を行っております。

解析条件

図1に解析モデルを示します。スリット幅 0.25mm、上流・下流ランド面長さ 1.0mm、ランド面と基材とのビードギャップ 0.25mm、リップ面角度 60° の2次元スロットダイモデルを定義します。

図1 解析モデル

走行速度 0.5m/s の基材に対し、吐出速度 0.17m/s で塗液(密度 1,200 kg/m3、粘度 0.025 Pa・s、表面張力 0.0611N/m)を供給します。上流リップ側には 2,000Pa の吸引減圧を印加し、ダイ壁面(静的接触角 60°)および基材表面(静的接触角 40°)の表面濡れ性モデルを考慮します。

解析条件を、表1にまとめます。

表1 解析条件

解析条件設定値
スリット幅0.25mm
上流及び下流ランド面と基材のギャップ(ビードギャップ)0.25mm
上流及び下流ランド面長さ1mm
上流及び下流リップ面角度60°
基材速度0.5m/s
塗液流入速度0.17m/s
吸引減圧度2,000Pa
粘度0.025Pa・s
表面張力係数0.0611N/s
密度1,200kg/m3
ダイとの静的接触角60°
基材との静的接触角40°

解析結果

解析結果より、塗液の体積割合の時系列の動画ファイルを弊社Youtubeよりご覧いただけます。

図1 塗液の体積割合

同様に、塗液と空気の速度も同様にご確認いただけます。

図2 塗液と空気の速度

本解析でわかったこと

塗液は吸引減圧により上流ランド面の端まで移動してから、基材に引かれて右側に移動し、下流ランド面の中で塗布膜が薄くなり正常塗布の定常状態になることがわかりました。