Adams–Moulton法

説明

Adams–Moulton法は陰的多段法の一種で、Adams–Bashforth法とは対照的に未来の値も含めた補間で積分を計算する。一般形は y^{n+1} = y^n + Δt ∑{i=-1}^{k-2} a_i F(y^{n-i}) で、未来の F(y^{n+1}) 項を含むため陰的方程式になる。例えば 3 段 Adams–Moulton(別名三段 PECE 法)は三階精度で a{-1}=5/12, a_0=2/3, a_1=-1/12 などとなる。この方法は陰解法なので安定性に優れ、大きなタイムステップでも精度が確保しやすい。ただし各ステップでの非線形解法が要るため、実用上は Adams–Bashforth で予測し Adams–Moulton で補正する PECE アルゴリズムとして使われることが多い。