クロスフロー不安定性
くろすふろーふあんていせい
説明
後退翼を持つ航空機の翼上面など、三次元的な境界層で発生する主要な遷移メカニズムである。翼弦方向の圧力勾配により、境界層内の流速の遅い流体は、境界層外縁の主流とは異なる方向に流されようとする。この結果、翼弦方向と翼幅方向の速度成分を持つ「クロスフロー(横流れ)」速度分布が形成される。このクロスフロー速度分布は、変曲点を持つため本質的に不安定であり、定在渦や進行渦といった特徴的な渦構造を発生させ、最終的に乱流への遷移を引き起こす。