自由せん断流
じゆうせんだんりゅう

説明

自由せん断流とは、噴流や混合層、後流のように固体壁面の影響を受けず、平均流れ方向と直交する方向に速度勾配が存在し、その速度変化に伴って渦度を持つような流れを指す。具体例として、静止流体中に高速で噴き出す噴流(Jet)、2つの並行流が擦れ合う境界の混合層(Mixing Layer)、物体背後に形成される後流(Wake)が代表的である。これら自由せん断流では、せん断により大規模な渦が自然発生・発展し、速度と物質・熱の混合を促進する。例えば噴流では噴き出した流体が周囲流体を巻き込みながら拡散し、混合層ではケルビン–ヘルムホルツ不安定による渦列が生じ、後流では物体から剥離した流れがカルマン渦列を形成するなど、自由せん断流特有の渦構造が発達する。