弊社アドバンスソフトの自社開発CFDソルバー「Advance/FrontFlow/red」に付属されている Tutorial Case「ダム決壊」の紹介です。
解析開始当初、一方へ寄せ固められていた水塊が、計算開始と同時にもう一方の何も無い空間へ向け、 勢いよく崩れ出し、加速しながら押し寄せていきます。
![初期状態の画像と、壁に接する水面高[m]と壁に掛かる力[N]のグラフ](https://frontflowred.advancesoft.jp/wp-content/uploads/2025/07/image-4-1024x768.png)
図1:初期状態
![水が流れている画像 壁に掛かる力[N]のグラフは0.8秒地点で少し下がり、0.2秒手前で急激に上昇したあと下降し、1.75秒時点まで上昇を続けている](https://frontflowred.advancesoft.jp/wp-content/uploads/2025/07/image-5-1024x768.png)
図2:水が流れる様子
そして空間の端へ衝突すると反射して、今度は元来た上流側へ戻ろうとしますが(逆流)、 その背後からも次々と波が押し寄せてくるため(順流)、丁度、玉突き事故のように衝突し合い、 瞬間的に大きな衝撃波が発生します。
![水が反対側の壁に衝突している画像 壁に接する水面高[m]は91になり、壁に掛かる力[N]は壁に衝突した瞬間から急上昇を続けている](https://frontflowred.advancesoft.jp/wp-content/uploads/2025/07/image-6-1024x768.png)
図3:水が衝突した瞬間
同様の現象は例えば、給水ポンプの栓を急閉した場合等にも見られ、 工学分野では「ウォーターハンマー(水撃作用)」という危険現象として知られています。
同じ現象時間を追跡する場合でも、 こうした瞬発的な現象が含まれる場合には「微小な時間刻み」「膨大な時間ステップ」が必要になる訳ですが、Advance/FrontFlow/redは、こうした高コストの問題を「各時間ステップにおける高速演算」 「高い並列性能」により、比較的短時間で処理する点に強みがあります。
計算コスト
- Cell数:22,920(Point数:35,619)
- 現象時間:30 s(時間刻み:1e-3 s)
- 計算時間:4 h 17 m(MPI並列数:1)
カテゴリ
自由表面
建築土木