バックステップ流れ解析による RANSの基本検証

概要

本項ではバックステップまわりの空気の流れの解析を行います。 段落ち点までは平板流れと同様な境界層が発達しますが、段落ち点で境界層は強制的に剥離します。 バックステップ流れに対してはこれまで多くの実験が行われている為、 解析結果をその実験結果と比較して乱流境界層の剥離に対するRANSモデルの再現性を検証することができます。

解析条件

解析領域を図 1 に示します。上下をWallに挟まれた領域で、左端がInletで右端がOutletですが、左端のInlet下部には3×1の領域で壁になっています。このとき、内部の流れの状況を解析で確認します。

図1. 解析領域

項目設定
流体非圧縮性流体
乱流モデル標準 k-ε, RNG k-ε, Chen k-ε, SST k-ω モデル
入口速度発達した速度分布
空気の密度1.290 kg/m3
節点数11505
要素数7390

解析結果

図 2 に 横軸:X=1, 4, 8、縦軸 : Y=0 ~ 3 での速度分布と乱流エネルギー分布を示します。速度
分布では、Inlet下部の壁により、X=1の断面では0 ≦Y≦1 の領域で速度が遅くなっている。ま
た、Inlet下部の壁の領域があることで剥離が起こり、X=1 で乱流エネルギー分布が高くなって
いることがわかる。

図2. 速度分布と乱流エネルギー分布
乱流モデル再付着点距離
実験値6.5
標準 k-εモデル5.6
RNG k-εモデル6.2
Chen k-εモデル6.9
SST k-ωモデル6.4

(*)参考文献:Kasagi, N. and Matsunaga, A, “Three-dimensional particle-tracking velocimetry measurement of turbulence statistics and energy budget in a backward-facing step flow,” International Journal of Heat and Fluid Flow, Vol. 16, pp. 477-485, 1995.

カテゴリ

乱流

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