焼入れ解析

#熱流体  #混相流 

背景と目的

焼入れとは、高温に加熱した金属を急激に冷却して硬化させるプロセスです。

冷却媒体としては、水や油が使われます。高温金属の表面では液体が激しく沸騰します。

表面の沸騰状態は膜沸騰→遷移沸騰→核沸騰と遷移し、金属内部の冷却速度差によって強度や変形のムラが生じます。

このムラの発生は、金属表面における以下の3つの量が互いに影響しあうため、これらを一体的に解くシミ ュレーションが求められています。

・温度分布

・蒸気発生量分布

・気相/液相それぞれの流速分布

流体解析ソフト Advance/FrontFlow/red の混相流解析オプションAdvance/FrontFlow/MPを用いた、焼き入れ解析をご紹介いたします。

解析の概要

本解析では、水(液体)の中に高温金属(任意の熱物性)を設置した系における温度分布、水蒸気量(ボイド率)分布、気液それぞれの流速分布を求めました。

解析で用いたAdvance/FrontFlow/MPは二流体モデルに基づく混相流解析ソフトです。本解析では、MPに実装されている沸騰モデル、熱連成解析機能を使用しています。

図1に温度分布の時間変化アニメーション(単位[℃])を示します。 時間の経過と共に、金属の下部コーナーと上部コーナーから冷却されていることが分かります。 これは、金属の形状や低温液体の流速分布に起因します。

図1 温度分布

ボイド率(気体の体積分率)の分布の時間変化アニメーションを図2に示します。 時間の経過と共に金属側面付近のみならず、 金属下面付近においても蒸気量の多い領域が形成されることが分かります。

図2 水蒸気量(ボイド率)分布

ボイド率(気体の体積分率)の分布の時間変化アニメーションを図3に示します。 時間の経過と共に金属側面付近のみならず、 金属下面付近においても蒸気量の多い領域が形成されることが分かります。

図3 気相の流速分布

液相の流速分布の時間変化アニメーションを図4に示します。 本解析では液相の初期流速をゼロとしました。 液相の流速は、時間の経過と共に金属側面に沿って上昇する流れ場になり、金属上面付近では中心軸付近で下降する循環流が形成されることが分かります。

図4 液相の流速分布

考察、今後の課題

計算結果より、金属内部の冷却速度分布が分かりました。

この計算結果は、焼入れ温度(金属の初期温度)・冷媒温度・冷媒速度(供給時)・攪拌などによって変化するため、それぞれのケースに応じた最適な条件を設定することによって、ムラの発生を抑制することができます。

詳細資料のご希望は

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