多重格子法
たじゅうこうしほう

説明

CFDで得られる大規模な連立一次方程式を効率的に解くための、収束加速法の一つである 。単一の細かい格子だけでなく、それを粗大化した階層的な格子群を用いる。細かい格子では高周波数の誤差成分が効率的に減衰する一方、低周波数の誤差成分の減衰は遅い。逆に、粗い格子では低周波数の誤差成分が高周波数の成分として現れるため、効率的に減衰させることができる。多重格子法では、細かい格子と粗い格子との間で解の情報をやり取り(制限と延長)するサイクルを繰り返すことで、あらゆる周波数の誤差を効率的に除去し、計算の収束を劇的に加速させる 。特に、幾何学的な階層格子を必要としない代数的多重格子法(Algebraic Multigrid, AMG)は、非構造格子との親和性が高く、多くの商用CFDコードで標準的な線形ソルバーとして採用されている 。